怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】


「おい、俺にもよこせよ」

もじゃ男が言うと


「こっち食べなよ」


果歩さんがもじゃ男におかずをのせる。



「お前、いい加減うぜぇ」


私には瑛太さんがちょっと不機嫌な感じがしたけど


「その言い方懐かしい。あの頃と一緒。柊もそう思わない?」


ふられた課長は一言


「あの頃よりうぜぇ」


言いながら笑ってたけど、あたしとマコの口元は緩んでしまった。



そこから私たちの知らない思い出話しを始め懐かしさからかもじゃ男も課長も話しに加わった。


あたしとマコは知らないその頃を聞きながら想像してたけどこれならやっぱり3人で食事をしたら良かったのにと思う。



食事が終わると役割分担が身についているから実にスムーズで勝った気分なんて思うのは子どもだなってちょっと反省。



ソファーに座ると果歩さんが


「盛り上がったよね。また来ていいでしょ」


私の反対側からもじゃ男にもたれかかった。


それがわかるとどうしてももじゃ男の顔をチラッと見てしまう。


嬉しいんだろうか。


それとも普通の事なんだろうか。


私にとっては、大学の男友だちにこんな事って出来ないけれど親しい関係だったら大したことじゃないのかもしれない。





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