怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
「おい、膝枕とか10年早ぇよって何でお前にしてやってんだよ」
「あたし、枕って硬い方がスキなの。ここのクッション軟らかすぎるからこれが一番ちょうどいい」
冗談でも何でもない。
こいつは、マジだ。
マジで俺を硬い枕だと言ってる。
「お前さ…男いる時もいつもこんなかよ」
「まさか。女やるの疲れちゃってさ。ここにいると女しなくていいしご飯食べられるし話し相手いるし」
おい、ここはお前の便利ステーションじゃねぇぞ。
パコンと額を叩いたって手の甲を額に2,3度往復させて何事もなかったようにテレビを見ている。
「座敷王子も男やめてるし同じでしょ」
「やめてねーよ」
「うそ~ん」
嘘じゃねぇって。
足をグラグラと揺らすと不快そうに起き上がり
「美祈がいる時といない時じゃ言葉使いも違うって知ってた?」
「そりゃあいつは部下だ」
「その理由は承認しよう」
生意気にもそういうと俺の右手を取って掌にスタンプを押す真似だ。
これ、流行ってんのか?
こいつだけか?