怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
「もじゃ男は、もじゃもじゃだった時も綺麗に手入れしてたし今も休みとかでもヒゲ剃ってるじゃん」
「それは下心があるからだろ」
「はい!ここ大事ですよ。今何て言いましたか」
「下心」
「気づきませんか?気づかないようですね。では、教えましょう」
まったくクソ生意気な事言いやがってと思うが言い方が可笑しくて
つい聞き入ってしまう自分へのダメ出し
「下心のない男はダメでしょ~。下心があれば休みの日に女の子にメールしたり電話したり、別にどうでもいい用事で会ったりせっかくの週末なら飲みに誘ってイケイケーッってのが男じゃないか?」
それだ!
お前の言う通りだ。
「わかったでしょ。男やめてるから私も合わせてるわけよ。それでも私はここに来るのにお化粧して着替えてくるからちょっとマシ」
自分で言って大笑いしてるマコ
「せっかく王子顔のイケメンなのにもったいないよ?壁ドンッとかいつからやってない?よ~く考えて反省しようか。再起するなら今だよ」
「俺、慰められてる?」
「励まされてる」
「自分は女としてどうなのか自覚してんだ」
「してるしてる。今、最低だって思ってる」
やっぱこいつっていろんな事を認められるんだよな。
俺はまだ自分の男やめてるに言い訳がしたいと思ってんのに。
ストレート過ぎるが言うことにいつも嘘がひとつもねぇよな。