怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
俺の右手はロッキー犬の手首を掴み左手は背中にまわして上から見下ろしてる体制
マコは下で大爆笑する余裕あり。
「違うから違うから。男と女を捨てたものが取り戻す訓練してた」
「焦ったよ。ドアあけたら柊ちゃんが襲ってるし」
「どうしようかと思った」
「見本になった?」
平然というロッキー犬の頭をバンッと叩いたって笑ってる。
そして顎で見ろチェックだと言わんばかりに俺に瑛太の方を向けと指示。
近づいてパーカーをチラッとあげると
「お!結んでる」
「は?結ぶよ。紐がダラーンってるじゃん」
ロッキー犬はクスクス笑っている。
「おい、瑛太って時計いくつ持ってる?」
「何だよ急に」
「いいから」
「ん…3つ?」
「そうだね。3つだと思う」
「何だ芹沢も知ってたのか」
「うん」
俺の足を後ろから軽く蹴るロッキー犬の言いたい事はわかる。
負けだよ俺の。
「今夜はハンバーグにした」
「わーい」
そしてロッキー犬は何でも喜ぶ。