怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
「アッ…」
どこまでも優しく胸をもみしだくと身体のラインをなぞるように動きながら次第に下腹部から花唇へ。
「ァ…ンッ」
身体の中から湧き出す疼きに身を捩らせている美祈に
「痛いと思う」
瑛太は美祈の髪を優しく撫でながら声をかける。
黙って頷いたのを確認すると額をコツンと合わせ
「俺の背中に爪たててもいいから」
そう言ったあと唇にキスとおとし静かに入口へと入りはじめた。
「イッ…」
すぐに瑛太の動きは止まった。
ごめんと謝るように額に優しく触れる瑛太の唇に美祈はそっと指を伸ばし静かになぞると
「大丈夫。愛してるから」
小さな声で囁きかける。
「ここで煽らないでくれ」
苦笑いをしながらまたキスを落とすとゆっくりと美祈の中を進み始めた。
美祈が痛がれば少し待ちそしてまた少し進む。
「美祈…最後の我慢だ」
その言葉の後は、瑛太の背中に思い切りしがみついて耐えるほどの痛みが襲った。
「全部入った。我慢できるか?」
「痛くて…何だかわからない」
「ごめんな。痛い思いさせてんのに俺は幸せを感じてんだよ」
痛みのあまり一筋の涙が流れおちそれを唇で吸い取ると
「少し落ち着いたか?」
「うん…」
チュッとキスをして
「愛してる…いいか…動くぞ」
「え…」
快感よりも今はまだ痛みの方が強いだろう。
それでも苦痛な思い出にならないよう瑛太は出来るだけ優しく美祈を抱いた。
苦痛に近い表情から女の表情へと移り変わりを見せ始めると少しグラインドを早め
アッ アッ ァン
高みへ上るよう導きながら瑛太も高みへとのぼりつめた。
腕の中へ再び抱きしめた美祈の額に瞼に鼻頭に頬にそしてやわらかい唇にキスを落とし
「愛してる」
何度も何度も囁き
美祈の身体をいたわるように一晩中抱きしめて眠りについた。