怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】


5階はもっと直球トーク。


「痛がっただろ」


「罪悪感にも襲われた」


いとも簡単に裏がとれた。



「お前、メガネだろ?」


「あ…って写真だけ撮りゃいいだろ」


「まぁな」


「ロッキーは芹沢のウィッグを処分しに行った」


「おい、あいつが決心しないと可哀相だって」


「いいや、芹沢は踏み切る。ロッキーはそう読んでる」



ずるずると煮込みうどんを食べる頃には


ピンポン♪と呼び鈴が鳴り


「ほい。メガネ」


「順調か」


「これからよ」



それだけ行って戻って行った。


柊哉からメガネを渡された瑛太は鏡の前でかけてみる。



「柊ちゃん…俺なんかこれ似合ってないか」


「あ…意外としっくりくるね」


「ってどこがじゃ」


それでも素直にかけるあたりは美祈への応援。


スマホで写真を撮ると



賭けに負けた俺

これで生きます。

3分だけ(笑)



そんなメールが美祈に届いた。




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