怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
髪型に合わせしっかりとメイクもしているから
男性社員は「可愛いを連呼」
それでもこれほどまでの真剣勝負をするぐらいの彼氏がいるという事も承知。
本当に瑛太は上手い事を考えたと柊哉は隠すように横を向いて笑った。
しかし柊哉が要チェックと思う会話も聞こえてくる。
「芹沢さんが参加する飲み会なら絶対行く」
「ほとんど来ねぇもんな。次は絶対参加してもらおうぜ」
これは、男の性だ。
俺が欠落していると指摘された性だ。
どうにかしようとしているわけじゃなく鑑賞したいわけだ。
接近したいわけだ。
口説こうなんて思ってなくても自分はこうやって思ってるんだよアピールが繰り広げられる。
可愛い子なら他のやつよりちょっと知ってる。
ちょっと親しい
自分のものじゃなくてもそう話せる事がちょっとしたステータス。
ましてこれだけ可愛いければ他の部署のやつらにも俺、仲いいよなんて飯食いながらの話題で言うであろう。
要するに自慢したい。
自慢出来るものになるわけだ。
いやもっと単純に可愛い子と話すのは楽しいんだったな。