怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】



あぁ驚き過ぎて怖いよぉ


警戒するものが増えちゃったじゃん。


あのひげもじゃの人どこから出てくるんだぁ


会社に着きデスクを拭きながら思い悩む美祈。


雑巾を洗い終わるとデスクに座り頬杖を着く。



1つ後の電車でついた柊哉は美祈の様子が気にかかる。


「おはよう」


いつものように声をかけると


「お…おはようございます」


返事の感じは同じようだ。


だが、頬杖を着いた。




「あいつ、本当に挨拶だけか?」


瑛太は悪いやつでもイジワルなやつでもない。


逆に男気があっていつも優しいというのとはちょっと違ってここぞという時には、最高の優しさを見せる男だ。


だが、面白い事も大好きだ。


大学の頃は悪ふざけが過ぎる事もあったがもう30目前の男だ。


さすがにそういう姿は見なくなって久しい。


マスクで顔の大半が隠れているので表情を読むことは出来ないが恐らく思い悩んでいるんじゃなかろうか。





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