怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
やっぱり今日は会えないか。
諦めかけたその時、エントランスの扉が開きひげもじゃの男が戻って来た。
すぐに気が付いた様子。
慌ててかけより
「さっきは傷つけてしまってすみませんでした。本当にごめんなさい」
心からの反省でちゃんと深く頭をさげた。
「そんなんいちいち気にすんな」
「でも、私だったらとっても悲しいと思ったので」
「じゃあもうこれでお終いな」
低い声でちょっと乱暴な物言いをする人だけど冷たいって感じじゃなくてホッとした。
「有難うございます」
もう一度頭を下げていると今度は課長の姿。
「ごめんなさい失礼します」
慌てて階段に続くドアを開けダッシュ
今度こそ逃げるように3階の自分の部屋へ向かった。