怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】



当然その姿が目に入った柊哉は笑いながら歩いてきた。


だが瑛太の前に来ると打って変って厳しい顔をする。


「おい、何かやったのか」


「違うよ。あっちが謝りにきた」


エレベーターの中で


あれやこれやと事情説明。



「戻って来なかったらどうするつもりだったんだろ」


「それでも、謝りたい気持ちが先だったんだろうな」


「あいつ何でそこまで物事を気にすんだ?」


「必ず自分が悪いって思っちゃう人だからね」


美祈の行動に感動すべきか


同情すべきか。



何に怯えて生きているのか


男たちの胸の中は心配な気持ちが募っていった。
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