怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
聞いてやる。言えないの
翌日からは、美祈をひどく怯えさせる気がして瑛太もあの不審で面白い行動を見に行くことはやめた。
自分が楽しいからと相手を傷つけてはいけない。
若い頃と違ってそれぐらいの判断は出来る。
やりたいっていう気持ちとは別ものだ。
「あいつ、生きてるか?」
「あぁ」
柊哉はお米、瑛太はパンという朝食を食べるのと同じように紡がれる会話。
「お前、パンに納豆とか邪道だろ」
「バカ言え。海苔までのせたこの納豆トーストは美味ぇんだ」
テレビから流れるニュースを横目に朝食を済ませる。
いつものように時間がくれば柊哉は出かけ
瑛太も仕事の予定に合わせて家を出る。