怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】


会いたいと思ってはいたが


いざ会うとなると心臓が跳ね上がる。


瑛太もまた出会ってしまった事にどう対処していいのか思い悩む。


歩いてくる姿が柊哉のいう通り思い悩んでいたからだ。


普通に挨拶の言葉と思っていたのに


「どうした。何かあったか」


口から出てから余計な事を言ったと瑛太は頭を掻く。


何で見たまんま言っちゃうんだよ俺…



美祈は驚いたように目を見開くと横に首をふり


「この間は、本当にすみませんでした」


いきなり頭を下げて謝罪を始めた。



「え?何?」


「あの…失礼な態度をとってしまって…」


「あぁ。もう忘れてたよ」


本当にそんな事をいつまでも気にしているのかと呆れと心配半分ずつ。



瑛太が微笑むとやっとホッとしたように肩を揺らした。


「何か心配な事でもあんなら聞いてやるよ」


突然の瑛太の言葉に慌てたようにまた首を横にふり


「大丈夫です。何でもありません」





――――まぁ俺になんか言えねぇか。


――――会えない事が気になってたなんて言えないよ。




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