怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
俺は変だ。あたし変かも
「ほんとに大丈夫か?」
瑛太が念のためにもう一度優しく問いかけた。
「大丈夫です。すみません」
「悪くねぇのに謝るな」
「あ…はい。すみません」
「だから、そういう時はありがとうだ」
「あ、はい。有難うございます」
詰めてどうすんだよ。
怖がってないか、顔を覗きこんでしまうほど瑛太は焦った。
だけど怖がってる様子はそこにはなくて今度は瑛太がホッと息を吐いた。
美祈を見ると手にはレンタルショップの青いケース。
「DVD借りたの?」
「はい。お休みなのでちょっと見ようかと思って」
今までで一番スムーズな会話のように思える。