怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】


「しかしあの女…なんだあれ…」


2つ目のサンドイッチを頬張りながらさっきの事を回想中。



「OLって言ってもいろいろいるんだな。それにしたって柊ちゃんの会社は一流だろ。怪し過ぎるって」


独り言が多いのも、1人でいる時間が長いから。



海外の見知らぬ土地で何かわからぬものを食べ、身振り手振りで生き抜くことも。それでもファインダーを覗けば瑛太の求める世界がそこにある。



再び袋の中に手を入れると一緒に買った煙草を取り出し


「禁煙出来ないなら換気扇の下」


柊哉がいなくてもきちんと守る意外と素直な瑛太29歳。




カチッという音のあとボーッと換気扇の大きな音が聞こえると煙草を咥えライターに火をつける。


燻らせる煙はすぐさま吸い込まれ流れていくのを漠然と見つめながら


「飯も食ったし打合せまでちょっと寝るか」



カチッと換気扇のスイッチを切ると途端に静まる部屋の中。


そのままベッドへ潜り込み2度寝という至福へと誘われた。



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