怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】


一方美祈の方も


予定通りパスタの夕食を食べながらレンタルしたDVDを見ていた。


シロクマの可愛い目も動きもペンギンの愛らしい動きもすべて美祈の表情を明るくさせた。


「もじゃもじゃは行ったことあるなんて羨ましいなぁ」


「どのぐらい寒いか聞いてみよ」


聞きたい事が山ほどうかぶ。


だけど良く考えると北極にも南極にもそれこそカメラマンかどうかなんて関係ないような質問が多い。



「どんな食べ物がスキなんて関係ないじゃん」


「休みの日は何してるかとか趣味なんて聞いてどうすんのよ」



――――あたし変だ。



あんまりあれこれ聞いたら嫌われちゃう。



何を話そう。


朝ご飯は食べてくの?


お昼は食べるとこあるの?

車だから平気よね。

え…何着て行こう。

クローゼットを開けて

これ?それともこっち?



やっぱりパンツスタイルよね。


この間マコと買ったおニューを着ていくか。

張り切りすぎ?

礼儀よね?

残りのDVDなど見ている余裕もないほどだ。

マコに相談したいけど今日は会社の人たちと飲み会って言ってた。



あぁどうしよう。

やっぱり心配。

次々浮かぶ悩みの種。



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