怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
笑うな。笑わないで


家へ戻ると柊哉が夕食の仕度中

「柊ちゃん俺の女房みてぇ」

「気色悪ぃ事言うな。お前が仕事だからやってやってんだ」

文句を言いながらもお玉を片手に


「瑛ちゃん、お風呂にする?ご飯にする?それとも柊ちゃん?」

「お前ぇだけは絶対にねぇ」

30目前の男二人、これでいいのか。



風呂に入って出てくるとテーブルの上に並べられた食事。

箸を並べたりグラスを置いたり言わずと分かれる分担作業。

「この気楽さが独身生活を長くすんじゃねぇか?」

「結婚したいほどの女がいないのが問題だ」

「結婚したい男に選らばれてねぇんだよ俺ら」

「いつ負け組に入った」

「いや、勝ってんだよ。自立してんだよ」

「この歳で自立してねぇは有得ないだろ」



柊哉も瑛太も大学時代はイケメンだと人気があった。

品の良さが溢れる柊哉にワイルドさが人気の瑛太

いつも彼等のまわりは女の子に溢れ選ぶ方の男だった。



しかし今は二人して座敷童の話題で盛り上がる。

仕事への夢や意欲に熱中し過ぎた結果だろう。

必要になりゃ女なんてあっちから寄って来るという過信があったのだろう。




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