怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
週末になりもじゃ男の話題で盛り上がるマコとコタ。
美祈の住むマンションに着き部屋の番号を押すとすぐに美祈がロックを解除。
エントランスを入るとポストの前にひげもじゃの男。パタンッと扉を閉めて振り返ったところで目が合った。
「もじゃ男さん?」
マコは、言った口を慌てて両手で塞ぎ
不思議そうな顔で見ているヒゲの男に
「芹沢…座敷童の…」
そこまで言うと男の目元は優しくカーブを描き
「あいつの友達か」
「はい。美祈がとってもお世話になっているようで、元気パワーを有難うございます」
マコが深々と頭を下げるとコタもまた有難うございますと頭を下げた。
「おいおい、何もしてねぇよ」
二人の行動に瑛太は慌てた。
何よ美祈…。
ヒゲもじゃだけどステキな人じゃない。
心の中で呟くマコ。
雪男みたいなの想像してたのに全然違うぞ。それにいい人そうじゃないか。
コタもまた心の中で呟き横を向けばマコと目が合う。