桜華の如く~桜散れども~
「総司、とりあえず屯所に連れてこう。」

今まで黙っていたもう一人の男の人が口を開いた。

「そうだね。君、屯所まで来てくれる?あ、一応言っておくけど、君に拒否権

 なんて無いからね。」

何よそれ。まあでも…

「…わかりました。」

断っても無駄だろうし。

「でもその前に教えてください。ここはどこで、今は何年ですか。」

私がそう言うと、二人は変なものでも見るかのように私を見た。まあ、そりゃ

あそうだよね。いきなりこんなこと聞かれたら、私だってそうなるもん。

「君、頭でも打った?」

「ここは京。今は文久三年だ。」
< 10 / 59 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop