桜華の如く~桜散れども~
3.屯所
私は男二人について歩いていた。いや、決して任意同行とかじゃないから

ね。強制だからね。しかもなぜか腕をがっちりと掴まれている。

「あの、すみません。腕痛いんですけど…離してくれません?」

「だめ。離したら君、逃げるでしょ。」

「っっ!」

ちっ。ばれてたか。…とか言ってる場合じゃなくてね、本当にどうにかしたい

のよ私は。

この二人について行ったところで身の安全が保障される訳じゃないでしょ。

…ってか逆に殺されるかもしれないし…。

そんなことを考えながら歩いていると、私の腕を掴んでいた人がいきなり立ち

止まった。

「わわっ!?」
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