③愛しのマイ・フェア・レディ~一夜限りの恋人~
ダンッッ!!!
大神は左手を壁に叩きつけ、熊野を際に押しやった。
「な…、まさかの壁ドン?」
「いいか熊野。
俺が競輪選手だとしたら、社長はF1レーサーだ」
「は?何の話だそれは」
「女だ」
「イマイチ分かりにくいな」
「あ~…だからだなあ_____」
大神は熊野の右耳に口を寄せ、声を潜めて説明した。
「ええっ!お、お前らどんだけ乱れてんだ」
「人聞きの悪い……つまりだ。
赤野がそんなことにったら、お前はイヤだろう」
「え?イヤまあそりゃあ…でも相手は社長だしなぁ、負けても仕方な…」
「バカ熊野っ、そんなことで、お前は彼女を諦めるのか?俺が同期のよしみで親切に教えてやったのに。
ついでに…」
大神は、大きな咳払いをした。
「今回に限り、貴様のストーカー行為にも協力してやろう。さあ、尾行するぞ」
「い、いや別に…お前に協力して貰わんでも…(するつもりもないし)」
「なーに、遠慮するな。
社長の店なら予測はつくから。
俺に任せておけ」
ドンと己の胸を打った大神に、熊野は呆れ返って呟いた。
「まあ…そういうことにしといてやるよ。
お前って、本当に素直じゃないのな」
「は?何のコトだ。
さ、そうと決まれば……早速準備だ、行くぞー」
「お、おいこら。手ぇ離せよな、気持ち悪い」
煙草をふかしていた周囲の連中の目が微かに痛い。
大神に再び引きずられながら、熊野はふと考えた。
_コイツって、こんな奴だっけ?
不安なら、『付いきて欲しい』って、ちゃんとそう言えばいいのにさ__
大神は左手を壁に叩きつけ、熊野を際に押しやった。
「な…、まさかの壁ドン?」
「いいか熊野。
俺が競輪選手だとしたら、社長はF1レーサーだ」
「は?何の話だそれは」
「女だ」
「イマイチ分かりにくいな」
「あ~…だからだなあ_____」
大神は熊野の右耳に口を寄せ、声を潜めて説明した。
「ええっ!お、お前らどんだけ乱れてんだ」
「人聞きの悪い……つまりだ。
赤野がそんなことにったら、お前はイヤだろう」
「え?イヤまあそりゃあ…でも相手は社長だしなぁ、負けても仕方な…」
「バカ熊野っ、そんなことで、お前は彼女を諦めるのか?俺が同期のよしみで親切に教えてやったのに。
ついでに…」
大神は、大きな咳払いをした。
「今回に限り、貴様のストーカー行為にも協力してやろう。さあ、尾行するぞ」
「い、いや別に…お前に協力して貰わんでも…(するつもりもないし)」
「なーに、遠慮するな。
社長の店なら予測はつくから。
俺に任せておけ」
ドンと己の胸を打った大神に、熊野は呆れ返って呟いた。
「まあ…そういうことにしといてやるよ。
お前って、本当に素直じゃないのな」
「は?何のコトだ。
さ、そうと決まれば……早速準備だ、行くぞー」
「お、おいこら。手ぇ離せよな、気持ち悪い」
煙草をふかしていた周囲の連中の目が微かに痛い。
大神に再び引きずられながら、熊野はふと考えた。
_コイツって、こんな奴だっけ?
不安なら、『付いきて欲しい』って、ちゃんとそう言えばいいのにさ__