③愛しのマイ・フェア・レディ~一夜限りの恋人~
第5話 君に魔法を
その頃、燈子は。
「……エステ」
口をポカンと開け、目の前のビルを見上げていた。
三鷹社長は役員会に向かう前、さる所に連絡を入れた。
自家用車のベンツを呼び寄せ、運転手に行き先を告げると、燈子に向かってにこやかに言った。
「綺麗になっておいで」
訳の分からないまま、車から下ろされた先が、銀座の一等地の中の、シャレた白っぽい煉瓦造りのビル。
三鷹社長は徹底したコダワリ派のようだ。
運転士に見送られ、怖々バラのアーチを潜った燈子を待ち構えていたのは、白いマスクの女3人。
「まあ…」
「これは……やりがいがありそうね」
燈子を取り囲み、何やらヒソヒソと話し合っていた彼女らが、決意したように頷いた。
「さて、参りましょうか?」
「え、参るって、ドコへ?」
「どこって。全身コースに全オプション付き。
……地獄のフルコースに決まっておりますわ」
「……き、聞き間違いですよね?
なにかジゴクがどうとか…
あ、あれ?何で捕まえるの?あれ?」
サッと両脇を固められ、捕獲された燈子は、そのまま中に連行されていった……
ぴやあああっ!!
「……エステ」
口をポカンと開け、目の前のビルを見上げていた。
三鷹社長は役員会に向かう前、さる所に連絡を入れた。
自家用車のベンツを呼び寄せ、運転手に行き先を告げると、燈子に向かってにこやかに言った。
「綺麗になっておいで」
訳の分からないまま、車から下ろされた先が、銀座の一等地の中の、シャレた白っぽい煉瓦造りのビル。
三鷹社長は徹底したコダワリ派のようだ。
運転士に見送られ、怖々バラのアーチを潜った燈子を待ち構えていたのは、白いマスクの女3人。
「まあ…」
「これは……やりがいがありそうね」
燈子を取り囲み、何やらヒソヒソと話し合っていた彼女らが、決意したように頷いた。
「さて、参りましょうか?」
「え、参るって、ドコへ?」
「どこって。全身コースに全オプション付き。
……地獄のフルコースに決まっておりますわ」
「……き、聞き間違いですよね?
なにかジゴクがどうとか…
あ、あれ?何で捕まえるの?あれ?」
サッと両脇を固められ、捕獲された燈子は、そのまま中に連行されていった……
ぴやあああっ!!