泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~


そして、新品の上靴と包帯とガーゼと

私の大好きなぬれ煎餅とお茶が置いてあった。

ボロボロと溢れる涙。

その横にもジャージが置いてあって、

瀬山と刺繍されたジャージはどう見ても郁人ので、

涙が止まらなくなった私はその場に泣き崩れた。

「いくとぉっ。」

悲痛な私の泣き声が、


私と麻友だけの教室に響き渡った。


郁人に、会いたい。

許されるなら

好きだと伝えたい。

その想いだけが私の胸の中を支配していた。


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