泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~


「そんなのわかってるっ。」

郁人の少しだけ荒くなった声。

「ならっ!わかってるならっ!
そばに居てよっ!

私、郁人がいないとね、涙も止まらないんだよっ、
郁人がいないと眠れないんだよ。

郁人じゃなきゃ勉強もわからないんだよ。

こんな私郁人じゃなきゃ面倒見切れないよ。」

ポロリ。

お互いの涙が頬を伝った。

「郁人、好きだ、んっ、」


『すきだよ。』

そう言おうとした私の唇に重なった

郁人の唇。

目を見開く私の顔には綺麗な郁人の顔。

キスをしながら見つめ合う私達は、

何をしているんだろう。


壁に体を押し付けられて、

腕を壁に押さえつけられた私は、

抵抗をできない。

抵抗するつもりなんてないのに、

馬鹿だね、郁人。

だんだんと深くなっていくキスに

お互いに目を閉じて

お互いを求めあった。




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