泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~
世界で一番嫌いな女。
沢村美咲。
俺の腕に触れようとしたそいつの腕を払うと
不服そうな顔をするそいつ。
こんなにも憎いと思った時はあるのだろうか。
三時間目の時に交わした奈緒とのキスが、感触が頭からも唇からも離れない。
時折漏らす甘い声を俺だけのものにしたいと
強くそう感じた時は他にあるだろうか。
当たり前のように隣いた奈緒。
だけど今いるのは沢村美咲。
「おい。」
「なーにー?」
わざとらしく猫なで声を出すこいつに虫唾が走る。
「お前奈緒に何した。」
そう冷たく吐き棄てると、
「制裁だよー」
とキャハハと当然のように笑いながらスキップをする沢村美咲は、
俺の前に来るとくるりと振り返って、