泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~
『それに、事故の後のリハビリの時。
誰よりも支えてくれたのは優姫だったんだ。
俺にとって優姫は必要不可欠な存在なんだよ。』
そこで一旦言葉を区切った周平兄は、
一息つくと、
『それと同じ。
郁人は奈緒を心の底から愛してる。
なんで、こういう風になってんのかはわかんねぇけど、
俺がどうにかしてやる。
奈緒、ごめんな。
こんな辛い思いしてんのに、
俺たちの事も考えてくれてありがとな。
俺たちは大丈夫だから。
郁人のことは俺がどうにかする。
だから心配すんな。
ただ、
これだけは覚えとけよ?
郁人を幸せにできるのは、
郁人を幸せにできるのは、
亮太の妹でもその辺の女でもない。
他の誰でもない
奈緒なのを、忘れるな。』
そう、優しく私の頭を撫でてくれた、
郁人の声にそっくりで、郁人の手にそっくりな、
周平兄の温もりに私は余計涙があふれた。