泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~


私の身長に合わせて屈んだ郁人に、

現実を突きつけられた。

今の郁人は、

郁人の顔をした別人にしか思えなくて、

こんなことを思う自分が嫌で…

だけど、やっぱりどんな郁人でも好きで…

だけど、

やっぱり、

やっぱり、17年も見てきた郁人への、

郁人への愛しさには敵わない。

きっと、17年経ったら同じくらい好きになるんだと思う。

だけど、

やっぱり今は、

俺様の強引な郁人が好きだよ。



矛盾している気持ち。

こんな自分が嫌になる…

好きだけど、

記憶がある郁人の方が好き。

そんなことを思う自分が最低で…

そんなことを思わせる自分が最低で、

全部全部自分のせいなのに、

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