泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~
恐る恐る目を開けると、
くるりと回された体と私の腕の中の重いものがなくなった。
ゆっくりと顔を上げると
私が重くても頑張って持ってたカゴを軽々しく片手で持って
片手で腰に手を当てる
大変お怒りの郁人さん。
怒ってる理由は、
多分、郁人の練習の邪魔をしたから。
いつも迷惑をかけてるから。
私は唇を噛み締めて深々と頭を下げて
「ごめんなさい。」
一段段差上にいる郁人に頭を下げた。
泣きそうになるのをぐっと堪える。
肩からパラパラと落ちてくるポニーテールにした髪。
滲む自分の体育館シューズ。
「いつも、迷惑かけてごめんなさい。」
震える声を抑えながら頭を下げ続ける。