泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~


顔を真っ赤にして、

「いや、その、一緒に寝てたりとか!」

と、突然大声を上げた。

え?

「…へぇ…?

そりゃあ、一緒に寝てたしね。」

サラリと答える私に驚愕と言った顔をみせる郁人。

なんで?

「だって、私郁人がいないとまともに眠れないもん。

だから最近隈できた。」

と、目の下を指差しながら言うと、

「…じゃあ、俺が眠れないのもそのせい?」

と意味不明のことを言ってきた。


え?

「…ん?

郁人も眠れてないの?」

と聞くと、こくんと頷いた郁人は

「なんか物足りなくて眠れない。」

そういった。

「…。
じゃあ、今日からまた一緒に寝る?」

とニヤリと笑って聞くと、

あっさりコクリと頷いた郁人に、

ぽかんと開く口。

「…いいの?」

つい口から出てしまった言葉。

郁人は苦笑いしてから

「それは俺のセリフでしょ…」

と笑って私の頭をくしゃくしゃっと撫でてきた。



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