泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~
グズグズ泣き続ける私を
郁人は笑って
「やっぱ、泣き虫だ。」
そう言ってよしよしと頭を撫でてくれた。
そんな郁人にもっと強く抱きついた私を、
静かにまるで確かめ合うように抱きしめあった。
_____
_________
____________
_______________
やっと落ち着いた頃。
私は郁人から少しだけ離れて、
「郁人、守ってくれてありがとう。」
ずっと言いたかった言葉を伝えた。
私の言葉に目を見開いた郁人は切なそうに口元を上げて、
「完全に守りきれなかったけどな。」
自嘲気味に笑った。
…。
「…そんなことないよ。
郁人はずっと私を守ってくれたよ。
守り切ってくれたよ。」
いつだって、郁人は私を守ってくれた。
どんな時だって私を守ってくれた。
「それに、私を守れるのも、守って欲しいって、守りたいって思うのも郁人しかいないの、
郁人も知ってるでしょ?」
と笑いかけると、
郁人はくしゃっと笑って、
「…そうだな。」
やっと、本当の笑顔を見せてくれた。