泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~


グズグズ泣き続ける私を

郁人は笑って

「やっぱ、泣き虫だ。」

そう言ってよしよしと頭を撫でてくれた。

そんな郁人にもっと強く抱きついた私を、

静かにまるで確かめ合うように抱きしめあった。


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やっと落ち着いた頃。

私は郁人から少しだけ離れて、


「郁人、守ってくれてありがとう。」

ずっと言いたかった言葉を伝えた。

私の言葉に目を見開いた郁人は切なそうに口元を上げて、

「完全に守りきれなかったけどな。」

自嘲気味に笑った。

…。

「…そんなことないよ。

郁人はずっと私を守ってくれたよ。


守り切ってくれたよ。」

いつだって、郁人は私を守ってくれた。

どんな時だって私を守ってくれた。

「それに、私を守れるのも、守って欲しいって、守りたいって思うのも郁人しかいないの、

郁人も知ってるでしょ?」

と笑いかけると、

郁人はくしゃっと笑って、

「…そうだな。」

やっと、本当の笑顔を見せてくれた。


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