泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~
「郁人、大好きだよ。」
照れくさくて、パジャマの袖で口元を隠しながら笑って言うと、
郁人は口元を隠して、顔をそらしてしまった。
…
いやだった…?
「郁人?」
心配になって郁人を呼んでも返事はなくて、
「…ごめん、いやだった?」
と、弱々しく聞くと、
勢いよく振り返った郁人に思わず驚いてしまった…
耳まで赤く染まる顔。
郁人は、私を軽く睨みながら
「不意打ちはだめだろ。」
そう言って私の顎を掴んで、
チュッと軽くキスを落としてきた。
いきなりのことで目を開けたままの私に、
「ふっ、目閉じろ。」
と、色気ムンムンで笑った郁人に私は笑顔で目を瞑った。
合わさっては、離れる唇。
お互いの存在を確かめるように繋がれた手。
幸せで、
こんなの2度とないと思っていた私には
幸せすぎて、
私の頬には涙が伝っていた。