泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~


二人で、

リビングへ降りると、

お母さんとお父さんとお兄ちゃんが引っ越しの準備をしていた。

郁人は、

私より少し前に出ると、

「美緒さん、竜馬さん、一馬くん。」

お母さんとお父さんとお兄ちゃんの名前を呼んだ。

びくりと顔を上げたお母さんとお父さんとお兄ちゃん。

それもそのはずだ。

だって、記憶がないときはおじさん、おばさん、お兄さんって呼んでたからね。

お父さんは嬉しそうに郁人に駆け寄って抱きしめた。

よかった、よかった。そう言ってボロボロ泣きながら。

お母さんもお兄ちゃんも泣いていて、

そんな3人の本当に嬉しそうな表情に私まで嬉しくなる。


しばらくして落ち着いたお父さんとお母さんとお兄ちゃんと、

私と郁人は向き合って、

郁人は記憶が戻ったことを伝えた…

そして、

「「今日から付き合うことになりました…。」」

私と郁人は手を繋いで報告をした。


< 269 / 341 >

この作品をシェア

pagetop