泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~
二人で、
リビングへ降りると、
お母さんとお父さんとお兄ちゃんが引っ越しの準備をしていた。
郁人は、
私より少し前に出ると、
「美緒さん、竜馬さん、一馬くん。」
お母さんとお父さんとお兄ちゃんの名前を呼んだ。
びくりと顔を上げたお母さんとお父さんとお兄ちゃん。
それもそのはずだ。
だって、記憶がないときはおじさん、おばさん、お兄さんって呼んでたからね。
お父さんは嬉しそうに郁人に駆け寄って抱きしめた。
よかった、よかった。そう言ってボロボロ泣きながら。
お母さんもお兄ちゃんも泣いていて、
そんな3人の本当に嬉しそうな表情に私まで嬉しくなる。
しばらくして落ち着いたお父さんとお母さんとお兄ちゃんと、
私と郁人は向き合って、
郁人は記憶が戻ったことを伝えた…
そして、
「「今日から付き合うことになりました…。」」
私と郁人は手を繋いで報告をした。