泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~
だけど、
「明らかに二人相思相愛だったし!
よく二人の世界に入ってたし!
小さい頃からずっと結婚するって騒いでたろ?!」
…
お父さん…?
相思相愛?
私と郁人が?
いや、そうだけど。
周りの人から見たらそう見えてたの?
思わず赤くなる顔を片手で覆って、
郁人の腕に顔を埋めた。
ニヤけそうになる頬を押さえて
幸せを噛み締めて、
隣にいてくれる郁人の体温を確かめたかったのもあるけど、
お父さんの言葉が嬉しくて、
「郁人。」
「…ん?」
「私たち、相思相愛だって。」
と、顔をあげて笑いかけると、
優しく私を見下ろす郁人が、
「遠回りしすぎたな。」
と、無邪気に笑って私の頭をくしゃくしゃと撫でた。