泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~
「「優姫ちゃんの出産の時と、奈緒(ちゃん)と郁人の卒業式と、一馬と美結ちゃんの結婚式の時は必ず帰るからね!」」
と涙を流すお母さんたちの言葉に余計涙がこぼれそうになった時、
「「意外と、奈緒と郁人の方が結婚が早かったりするかもよ。」」
ぼそりと呟かれた声に、
私と郁人は硬直して声の元へと目線を向けた。
ニヤニヤと立つお父さんと信助さん。
…
どういうこと?
不思議に思って郁人を見上げると、
郁人も不思議そうに見ていて、
私も、お父さん組を見つめた。
だけど、
「何言ってんだ、
それより先に俺たちが頑張るから孫期待しとけよ。」
ビシッと、お母さん組を指差したお兄ちゃんに、
言葉の意味がやっとわかった私と郁人は顔を真っ赤にして、
「「〜〜〜〜〜〜〜?!」」
声にならない叫び声を上げた。
「いや!しないから!ね?!郁人?!」
つい、郁人に答えを求めようと、
郁人を見上げると、
顔を真っ赤にして、口元を覆っている郁人。
「…え?…あ…えっと…」
と目線を彷徨わせる珍しい表情の郁人。
「…郁人…?」
「…あー、えっと、…」
目線をキョロキョロさせた郁人は、
私の頭に手を置いた郁人は、
「いつかは、そういうことをしたいと思ってるけど?俺は。」