泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~
「もうやだ。」
つい癖で、赤くなりすぎてる顔を郁人の胸の中に埋めてしまった。
やっぱり郁人の胸の中は安心するなー。
とにやけそうになる顔。
無意識にこもる郁人に抱きついてる腕。
そんな私を抱きしめ返してくれた郁人が頭上で笑った気配がして、顔を上げようとすると、
押さえつけられた頭。
「めっちゃ大変だと思う。
俺すごく奈緒のこと大好きだし愛してるし。
全部俺のものにしたいってすごく思うけど、
それ以上に奈緒を大切に思ってるから、
奈緒が嫌がることをしたくないし。
奈緒がいいって言うまで頑張るつもり。
まぁ、結婚してからはわからないけど。」
だから、と、息を吐いた郁人は、
「お義父さん、も、お兄ちゃんも、
心配しないでくださいね?
結婚するまでそういう心配はありませんから。」
「あ、親父も兄貴もな。」
お義父さん、お兄ちゃんだけを強調した郁人。
郁人の言葉が嬉しすぎる。
「〜〜〜〜〜〜っ。」
幸せ。
幸せすぎて、泣きそう。
私の背中に回る青いリストバンドを着けた郁人の左手が、私の頭を優しく撫でる右手が、
郁人の言葉が優しくて、
嬉しくて、嬉しくて泣きそう。