泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~
ピピピピピピピ
スマホのアラームが鳴り響いて、
無意識のうちに、
止めようと伸ばす腕。
だけど、スマホに行き着く前に消えた音に、
不思議に思って目を開けると、
目の前には、郁人。
ベッドに肘をついて私を優しく見つめてる郁人の姿だった。
「おはよ、奈緒。」
「…んー、おはよ。」
眠い眠い。
だけど、
「郁人が、隣にいるなんて久しぶりだ〜。」
私は何を言ってるんだろう。
だけど、眠くてそんなのも考えられない。
嬉しくて口元が緩みっぱなしの状態で
郁人に思いっきり抱きついた。
幸せだ〜。
そして、また夢の中へ、
じゃないよ!
ばっと起き上がって、
「郁人!遅刻!」
部活!遅れちゃう!
郁人を起こして、
キッチンで軽く目玉焼きとベーコンと
納豆というなんとも手抜きの朝食で
食事を済ませてから、
二人で慌てて準備をして家を飛び出した。