泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~
ヒーローと涙
そして、なんとかというか、
余裕で着いた学校。
横からの視線がめちゃくちゃ痛いです。
怖いです。
ちらりと見上げれば、
【遅刻って騒いでなかったか?】
と、今にもいいそうな顔で私を見下ろす、
後ろに般若が見えそうな大変お怒りの
今や、ヒーローではなくて大悪党みたいな顔してる。
そろりそろりと少しずつ横へずれていく私を
視線で追う郁人。
そして、私は耐えられなくなって、
「ごめんなさぃー!!!!」
体育館へと走り出した。
「あ!ちょ、おい!奈緒!待てよ!」
後ろから聞こえてくる郁人の叫び声。
待ってられるか!
郁人は鬼ごっこしてて鬼に待てって言われたら待つの?!
バスケで相手にボール出せって言ったら渡すの?!
誰が待つか!
と思ってるうちにあっけなく捕まった私。
後ろから抱きしめられて拘束された私。
……
どうすればいいんだ。