泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~
ちらりと郁人に目線を向けてから、テレビへと目線を戻すと、
いつの間にか終わっていた私の好きなドラマ。
軽く溜息をついてから、煎茶を飲む。
「…ひえちゃった。」
すっかりと冷めてしまった煎茶を、
持つと
台所へとおいて、歯を磨いてから
また、自室へと向かった。
私の家では郁人がいることが当たり前。
いないと大騒ぎだ。
滅多に帰ってこないお兄ちゃんより、
うちに馴染んでいると思う。
階段を上りきって、
奥から2個目のドア。
それが私の部屋。
開けると、やっぱりスヤスヤ眠る郁人。
「…はぁ。」
自分のスマホを充電してから、
郁人のスマホを持つと、
郁人用の充電器にさして、
1つあくびをして、
「郁人私も寝るからもっと奥行って。」
「…んー。」
ごろりと寝返りを打った郁人の
空いたスペースに身を寄せると、
「おやすみ、郁人。」
「…ん。」
私を抱き寄せた郁人はまたもや夢の中
そして、
私もゆっくりと眠りについた。