泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~
「…
郁人は、」
ゴクリと生唾を飲み込んだ私。
早く言って。
その気持ちが大きくて、
そしてゆっくりと口を開いたお兄ちゃんは、
「…郁人は、疲労と風邪をこじらせたらしい。
あと、盲腸だってさ。
今は手術中
心配はないって、来週には退院できるらしいよ。」
そう優しく笑ったお兄ちゃんに私はその場に崩れ落ちた。
ホッとして、涙が止まらない。
「よかった、よかった。」
ぼろぼろ泣く私を抱きしめてくれたお兄ちゃんの優しが、
暖かくて、優しくて余計涙が溢れた。