泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~
料理が完成して、2時間。
もう、8時を回ろうとしている。
こんなに遅いなんておかしくないか?
確か今日は顧問が休みで部活はないはず…。
家電と言っても今はスマホの時代。
そんなのあるはずなくて、
俺は、財布だけを持って外へと出た…
何故かすごく胸騒ぎがする。
奈緒が泣いてる気がするんだ。
俺は自分の勘を信じて、
繁華街の方へと全力疾走で向かった。
繁華街に着いた途端胸騒ぎがもっと大きくなって、
「「郁人!!」」
キョロキョロしてると春樹と理玖の声。
振り返ると二人は息を切らして立っていて、
「…どうした?」
と聞くと、
「…いや、郁人に荷物届けに行こうとしたらなんか、すごいさ、
なんて言うの?胸騒ぎがして、急いでこっち来たんだ。
そしたら、郁人いるし、」
と、苦笑いの春樹に
後ろで静かに頷いてる理玖。
…こいつらもか…。
「…俺もだ。」