泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~

その瞬間、ブワッと歪む視界。

私は郁人に抱きついて泣き喚いた。

「…よかった、よかった。」

何度も何度もそういって、

郁人はそんな私を笑いながら抱きしめ返してくれてた。




本当は胸の中でずっとモヤモヤしていたのかもしれない。

ずっと、怖かったのかもしれない。

あの光景が頭から離れないで、

ずっと泣きたかったのかもしれない。

郁人に聞きたかったのかもしれない。

だけど、臆病な私は言えなくて、

郁人がそれに気づいてくれたんだ。

やっぱり郁人は、

私のヒーローだね。


うじうじ悩んでた自分に、

絶望のどん底だった自分に教えたい。

君の未来はこんなに輝いてるんだよ。

って。