泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~


チュンチュン…

小鳥のさえずり。

そして、眩しい部屋。

「…ん〜。」

眠い。

思わず、郁人の胸に顔を押し付けて、抱きつきながら眠ろうとすると、

「奈緒、おきろ。」

私の大好きな声。

「…ん〜。」

「ん〜、じゃねぇよ。
早く起きろって…。」

呆れた郁人の声に重い瞼をゆっくりと開けると、

見慣れた郁人の顔。

綺麗な黒髪に二重の大きめな瞳の右の涙袋には黒子。

白い肌荒れなんて知らないような肌に

薄い綺麗な唇。

バスケ部で鍛えられた腕と体。

そして、

「奈緒、おはよ。」

優しくて少し低い私の大好きな声で、

私にしか向けない笑顔で

優しく私の頭を撫でる、


私の幼馴染兼好きな人。



< 4 / 341 >

この作品をシェア

pagetop