泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~
チュンチュン…
小鳥のさえずり。
そして、眩しい部屋。
「…ん〜。」
眠い。
思わず、郁人の胸に顔を押し付けて、抱きつきながら眠ろうとすると、
「奈緒、おきろ。」
私の大好きな声。
「…ん〜。」
「ん〜、じゃねぇよ。
早く起きろって…。」
呆れた郁人の声に重い瞼をゆっくりと開けると、
見慣れた郁人の顔。
綺麗な黒髪に二重の大きめな瞳の右の涙袋には黒子。
白い肌荒れなんて知らないような肌に
薄い綺麗な唇。
バスケ部で鍛えられた腕と体。
そして、
「奈緒、おはよ。」
優しくて少し低い私の大好きな声で、
私にしか向けない笑顔で
優しく私の頭を撫でる、
私の幼馴染兼好きな人。