泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~
いつからだっけか、
郁人が毎晩何かしら理由をつけて私の部屋に来て私を抱きしめて寝てくれるようになったのは、
確か小4のあの事故の後から
私は毎晩魘されていて
眠れなくなってしまった。
お母さんとお父さんと寝ても、
お兄ちゃんと寝ても
全然ダメだった私が
唯一魘されずに眠れたのは、
郁人と寝ている時だけだった。
それがわかった時から郁人は
私を毎晩抱きしめて寝てくれる。
そして私もそれに甘えて
今では郁人なしでは眠れなくなっていた。
たくさんの写真より
たくさんのものより
きっと何よりもこの体が
郁人を覚えている。
きっと私は郁人しか好きになれない。
そう、
わかったんだ。