泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~
「奈緒?」
心配そうな郁人の声にはっとして顔を上げると
声と同じく心配そうに私を見つめる郁人。
「あ、え、なに?」
素直になれない私は冷たくそう返す…。
「どうかした?」
私の頭を優しく撫でながら
肘を立てて手に頭を乗せて優しく私を見下ろす郁人。
私はそんな郁人の優しさが嬉しくて笑って、
「なんでもないよ。」
そう言って、郁人の胸に顔を埋めた。
そんな私の頭を撫でてくれる郁人。
いつだって私が落ち着けるのは
郁人の胸の中だけ。
どんな時だって、郁人に抱きつけば涙も怒りも消える…
私にとって郁人は必要不可欠な存在なんだ。