泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~



「奈緒?」

心配そうな郁人の声にはっとして顔を上げると

声と同じく心配そうに私を見つめる郁人。

「あ、え、なに?」

素直になれない私は冷たくそう返す…。


「どうかした?」

私の頭を優しく撫でながら

肘を立てて手に頭を乗せて優しく私を見下ろす郁人。

私はそんな郁人の優しさが嬉しくて笑って、

「なんでもないよ。」

そう言って、郁人の胸に顔を埋めた。

そんな私の頭を撫でてくれる郁人。

いつだって私が落ち着けるのは

郁人の胸の中だけ。

どんな時だって、郁人に抱きつけば涙も怒りも消える…

私にとって郁人は必要不可欠な存在なんだ。



< 6 / 341 >

この作品をシェア

pagetop