泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~
救急箱や、部員の人たちのユニフォームを渡しやすくするために、
1セット1セット並べていく。
だけど、朝はかなり時間が短いから、
やるにも限度がある。
キリのいいところで終わらせて、
私は郁人と教室へと向かった。
2-A に入ると一斉に浴びる視線。
たくさんの人に囲まれる私と郁人。
「あー!よかった!
やっときた!2人は2人じゃないとだめだよ!」
とか、
「夫婦が戻ってきた!」
など、
そして麻友は、
良かったと泣きながら抱きついてきた。
そんな麻友をわたしは抱きしめ返した。
そして、
久しぶりにいつものように授業を受ける。
わたしの隣でうつらうつらしている郁人をつつくと、
眠そうにこちらをむく郁人の顔に笑いをこらえる。
幸せだ。
ずっと、こんな幸せが続いて欲しいな。
青い空を眺めて私は
この幸せがずっと続くと思っていた。