元旦のメリークリスマス


「…大学に行かせてあげれる親なんて、ありがたいじゃん」

「…え」

「感謝しなよ、ご両親に。うちの親なんかいいから早く働いてくれって、無理やり就職させられそうになるし。専門行きたいって言えば金はないから奨学金受けろっつーし。まぁ、大学行きたいっつっても高校時代バイトしまくってて勉強なんてしてなかったから、大学行けるような学力も持ってなかったんだけどさ」

ハハハ、と乾いた笑いが部屋に響く


「…それは」

「あんたさ」

「はいっ」

「自分で働いたこと、ある?自分の金で家族の食料買ったこと、ある?自分の金で家族を支えたこと…家族を養ったこと、ある?」

「………」

「あんたが羨ましいよ。私も皆みたいに…勉強しながら、軽くバイトして。貰ったバイト代全部、自分のお小遣いにして。遊び呆けてみたいよ」

「…俺」

「遊ばせるために大学行かせたわけじゃないって思ったんじゃないの?あんたの親父さんもさ。それに…まだ生きてるんだろ?両親2人とも」

「………そう、ですね」

「言いたいと思った時には遅いもんだよ」

「それは…実体験ですか?」

「んー、内緒」



…って、何年上に語ってんだ私は偉そうに。こいつが…甘ったれた人生送ってたからつい…

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