隣の席の矢野くん。


「あの…、矢野くん……」


何から伝えればいいんだろう?


どう言えば、伝わるの?


「用がないなら、離してくれる?」


乱暴に掴んだ手を振りほどかれる。


「や、やだっ…」


だけど、私は再び振りほどかれた手を掴んだ。


ぎゅっと強く、握り締める。





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