第二秘書は恋に盲目

「…っお父さんには、私なんか必要なくて…、仕事さえあればいいの。
私は、…っいてもいなくても良い存在、なんだもん」

泣きながら話し出したのは、家出に至った経緯。

話によると、父親に授業参観をすっぽかされたあやめちゃんは、その日の夜に父親のいる社長室に向かったらしい。いつものように、お仕事なら仕方ないよ、と言うために。

だけど、社長室には千歳がいて、何やら言い争っていた。
聞き耳を立てると、千歳はあやめちゃんの話で父親に突っかかっていたが、返ってくる父親の言葉は仕事に絡めた言い訳ばかりだったと。

それが、あやめちゃんにしてみれば、父親が優先順位を示しているように感じたと。そして、上位には確実に自分の名前はあがらないと思ったようだ。

「お父さんに言いたいこと全部言って、家を追い出されたら……、ここに戻って来ていい？」

……あ？