第二秘書は恋に盲目
「だからなんでだよ。
お互いにそういう気持ちは皆無だ」

「本当に?1ミリもないの?

笠原も一応大人なんだし、手術してもらっただけの医者の家に泊まったりはしないと思うんだよね。
こう言っちゃなんだけど、大事な私もいるわけだし。
怪しい奴なら絶対に止めると思うの。

んー、それなりに須藤先生のこと信じてるってことなのかな。
デートくらいなら誘えるんじゃない?
須藤先生になら、笠原をデートに貸してあげてもいいよ」

ぺらぺらと物凄い勢いで言葉を並べられる。本当に、こういう話が好物なんだな。

「なんで俺がデートに誘わなきゃいけないんだ?
それは何の罰ゲームだ?」

「素直じゃないなー。
須藤先生さ、八田先生といるときよりも笠原と喋ってる時の方が楽しそうに見えたけど」

マジかよ…。
小学生に言われた言葉が意外すぎて、若干胸に響いている。
俺ってポジティブな感情が顔に出ないってことで有名じゃなかったか?
それが楽しそうにしてるって…。
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