第二秘書は恋に盲目
「あの人はちゃんとわかってるんだよ。

金子が俺を嵌めるために何かを企んでたんだ。俺が笠原さんと会ってるところを金子が目撃したら、どんな作り話をばらまかれるかわかったもんじゃない。
そんなリスクを潰すために、笠原さんはじっとしてたんだよ」

ほう。

どこか嬉しそうに、ふたりが会わなかった理由を教えてくれた。考えてみたらそうだ。金子先生はふたりが付き合ってることを切り札にゆすってきたんだから、それを裏付けるような行動は避けるのが当然か。

「じゃあ、笠原に何か優しい言葉でもかけてあげたら?笠原のおかげで、明石を信じられたって言えなくもないんだし。

私、今から笠原に会うから、何か甘い言葉でも伝えましょうか?」

「結構です」

ちぇっ。
まだ駄目なのか。いい感じに誘導できると思ったのにな。

「言いたいことは、会って自分で言うから」

おっ!!これはきた!
遂にふたりが会う時がきた!
金子という壁が立ち塞がりながらも、愛の力で乗り越えていくってことだね。
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