第二秘書は恋に盲目
そんな妄想を膨らませてばかりで時間は経過し、気がつけば夜も9時を回っていた。
もしかしたら、笠原はもう帰ってるかもしれない。

こっそり部屋を抜け出して、秘書室の扉を開ける。するとそこはもう真っ暗で、やっぱり笠原は帰ってしまったらしい。

なんだ、つまんないの。
須藤先生ならここまで来ると思ったのに。

そう思って部屋に戻ることにしたんだけど、廊下を歩いてる途中にどこからか話し声みたいなのが聞こえてきた。

ん?

その声は、非常階段のほうから聞こえてくるみたい。足音を立てないように近づいて、壁越しに覗き込むと、仕事終わりの笠原とそんな笠原に会いに来た須藤先生がいた。

やっぱり須藤先生来てたんだ。
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